ThoughtWorksアンソロジー

会社の同僚がThoughtWorksアンソロジー ―アジャイルとオブジェクト指向によるソフトウェアイノベーションを持っていたので、先日借りて読んでみた。

Web上で、この本を読んだ感想をちらほら見かけるけれど、各人興味をもつ章がバラバラなのが面白い。プロジェクトとは?的な話からDSLや性能テスト技法まで、章ごとに内容が分かれているので自然とそうなるみたい。

私の場合は、特に1章と12章、あと6章が興味深かった。

1章は、「システムが稼働可能な状態になってからビジネス的な価値を生み出すまでの状態」である「ラストマイル」について書かれているのだけど、そもそもThoughtWorks的な「プロジェクトのライフサイクル」のとらえ方というのが、個人的に非常に参考になった。もちろん、どの組織に対しても同じやり方を適用すべきではなく、組織の規模や顧客の性質などにより最適解は異なると思うけれど。

12章は、テスト全般についてのお話で、久しぶりに真面目にテストについて考え直せたので良い機会だった。派手なことは書いていないのだけど、基本をおさらいするにはちょうど良いのではないかと。

6章あたりで、イテレーションマネージャーという初耳の役割がかかれていて、これも面白かった。まぁ、まともなプロジェクトであれば、誰かしらがこの役割を何気に兼任で担っていると思う(そうでないと当然失敗するし、一人がいろいろ担っていると負荷が高すぎてやっぱり失敗する)けれど、これを明示的な役割として切り出してくるあたりは、常に組織として成長を続けているのだなぁ、と感じてとても刺激になった。

全体的には

  • とにかく自動化
  • 常にビジネス的な価値を意識(不具合ごとにビジネス価値を金額で記入、とか)

という考えが徹底されていて、迷い無く進めるのだろうなぁ、と。

さりげなく会社としても購入していたみたい(社長の机にも置いてあった)なので、たまに読み返してみよう。